宮殿帥 + 東京国立博物館 + 旧寛永寺五重塔 + 現代美術 東京国立博物館編
東京出張、 (毎度、長文で御座います。)
正直、初めてでは無いが東京へ足を伸ばした事は殆ど無い
それ以前に京都から出る事もあまり無いし
最近では自分の家の敷地から出る事も無い。
楽園から出る必要性が無いからに他なりません 笑
(そう言えばお酒の席でもピクリとも動かず、偉い人がお酒を注ぎに来られて
何時も申し訳無い思いで過ごしているかも …)
しかしながら折角行くのだから序に外界ならではの遊行を愉しみました、
当然、次の日の仕事に差し支え有るぐらい …
仕事はスムーズに無事終える事が出来たのですが、
その後一泊して次の日はフリー
予定では、夜はdommuneスタジオに行って、翌日は
東京国立博物館〜旧寛永寺五重塔/上野東照宮
〜 TERRADA Art Complex( http://art.terrada.co.jp/ja/support/ )
(現代美術ギャラリー)
コレだけ訪れたのみに留まりました。
東博は、「春日大社展」が行われており、見識を深めるのに実り多く
有意義な時間を過ごせました。
流石に東博! 集品力が凄かった! 写真でしか観れない有名な物が
沢山列んでおり、何を書けば良いのか分かりませんが(笑)
一つだけお伝えすると
『鷺脚』
(※この鷺脚は今回の展示では有りません! 中尊寺蔵 )
鷺脚机とは、日本の美しい机の代表格的なモノで大変美しいモノで有りますが
平安時代後期辺りに"和様"としての鷺脚が最も古いモノで、元を辿れば
大陸のモノに範をとり正倉院宝物の中に多く起源を見出す事が出来ます、
そして現在迄、創り続けられています。
"鷺脚" については大変深い想い入れが有り
更に ' 持論では有りますが ' 鷺脚を観ることによって、
機能とは別の 「カタチ として美しいデザイン」と言う観点から
平安時代に "鷺脚" デザインの頂点が見え、更には昔の人がモノを扱う
力量まで垣間見えてきます。
これまた勿論持論で申し訳ありません
木工に於いて、「木の使い方」の完成は、正倉院にて完成の域に
達していると感じていますが、(執筆中…)
正倉院宝物はまだまだ大陸の影響が強く、"カタチのデザイン性"
に於いては"和様"とは呼べないものですが、
写真の 鷺脚 は僕が愛して止まない"美しい" 脚を有しています!
しかしながら … 、 …
此度では書ききれないので、いつかゆっくり
【鷺脚様式美から観るアウトライン考 〜日本の荘厳意匠等に於ける私的優秀期論】
(別名【コレかっこエエのんとちゃう?論】)
必ずまとめなくてはイケないテーマなんです。
改めて、『鷺脚』 と題しましたが、"机"とは書いていません!
今回の観点は、"用途" と言う観点を無視しております。
「構造即意匠」と云う「機能から成る美しさ」を無視しています。
ルックスのみに着目した観点での"鷺脚トーク"と成っています!
どう言う事かと申しますと、当たり前で申し訳ありませんが机には、
1, 用途に合った天場の広さ
2, 用途に合った高さ
3, 用途に合った強度 用途等…
この観点から設計が始まります、然るに机の脚を創る為に
机は制作されません、
どうしても、鷺脚にしたところで大きさの不釣り合いから
どうしてもキレイに見え難く成る寸法が有ります。
この事から、
今回観たモノですが天板の広さの制約等が有り中尊寺のモノには"鷺脚"としては
個人的には少し劣ると感じています。
然しながら、今回ガラス越しではあるものの、平安時代の鷺脚を写真では
確認し辛かった事などが確認出来て鷺脚に関しての疑問が解けた事が有り、
この事だけでも 「頂きっ♡」と言った具合でした!
今回の春日大社所有のモノと、
現在の高級品として作られているモノも併せて紹介しておきます。
どうでしょう?
写真写りが悪いのですが、下が現代荘厳の成れの果てです。
他にも超逸品な出品ブツの量が多かったのでキリが無く、
紹介に至りませんが大変勉強に成り、私の為に素晴らしい展覧会を企画して頂き、
東京国立博物館様、誠に有難う御座いました。
チラシと図録(厚み=3㌢)とカワイイ狛犬の絵葉書
で…
当然、本館の常設にも足を向けない訳に行きません、
先ずはブチ当たったのが「古代」の展示。
ココでも述べるに及ばなく、写真でよく見る有名ブツが、「ばっかり!」
春日大社展で腹九分目で更に時間が無いのに、どないしたらエエねん!
観させて頂く他無いのですが… 笑
これまた、我々日本国民のトレジャーが「※タイヘンジャー」の御前に、
情報量の多さから正直流して観るしか出来ませんでした…
(昔、高床屋形埴輪の建築構造を考えてみたなぁ〜 結構板を用いていた印象が。)
先ずは、重要な銅鏡がズラリ!
文様を眺めたら、完全にコノ場から去る事は出来ないのでキッパリと
振り切りました!
文様はさて置き厚み等の造りの確認だけでもすれば良かったのかな?…
発掘瓦もズラリ!
ちょっと前に プチ プチブームだったので、 、 、、、
奥歯を噛み締め、舌打ちしながら、無視!
軒丸瓦の連弁の形状等を(〜平安時代迄)考察してみたい思いが
有るのですが、 シカト!
ん… 書ききれない!
『私的鉋備忘録』と銘うっていますので、
道具系の展示を紹介しておきます。
'ちょうな' (全長約二尺)ですが、僕は仕事で使う事は皆無で、
おじいちゃん(船大工)の遺品に混ざっていたのを遊びで
触っただけなのですが、
ん〜 鉄!
スプリング ちょうなですね
この頃はどうだったのでしょう?
当たり前ですが、当時の"鉄"の存在は絶大で 鉄=権力 と言えるものでしょう
(アニメ「もののけ姫」ですが、「タタラ場を守れっ!」の台詞が印象的でした。)
そして貴重な鉄を、重要な建築道具に使ったのも理解出来ます、
其れに、素人目線で有りますが加工技術も高い事が伺えますし
当時でも結構上等な代物に観えます。
グリップを観ると持つ場所が想像出来ますが、
オリジナルは更に植物の蔓を巻くとか木製の柄をつけていたのでしょうか?
長さは、不確かで申し訳無いのですが、全長二尺程度だったと記憶しています。
'柄' と '刃の角度' と '長さ'(仮に二尺として… )から、 … … ?
身長が150㌢???位??? ホンマか? ? 低っ (笑)
皆さんも想像してみて下さい。
この"刃"と曲がり柄の中間に"予備刃"?のようなモノが有りますが
遠心力を出す為の"重り"に相当するのでしょうか? ?
其れと、研ぎを行う時には刀剣のように砥石を動かしたのでしょうか?
"刃"の脱着は可能だったのでしょうか?
どの様な仕組みだったのか?
錆×錆(笑)なのでよく分かんない状態DETH。
しかしながら脱着式と考えた時、
曲がり柄エンドが刃の接合部辺りで幅広と成っており、
曲がり柄先端を包むようにしてあると推測するのが自然
なのですが接合部の厚みもさほど厚くなく"包み込み脱着式"で有れば
もっと厚みが増すと思います、更には固定楔の余地を入れると一体型と
見るほうが妥当なのかな?とも思います。
と、なると?
矢張り研ぎは"刀剣方式"で一般的な刃を動かすモノでは無く、砥石を動かして
研ぐやり方だったのかな? どうでしょう?
その"予備刃"?と曲がり柄の接合付近の曲がり柄の厚みですが結構薄い、
この薄さだと多分ハツった時に力の伝達が曲がり柄に少し逃げそう、
更には手への負担も、シッカリと芯を捉えたハツリでないと "ブルン!"と
金属の曲がり柄が歪んで、手首を痛め易そう?
もっとちゃんと観察して来たら良かった
急いでいたので写真だけソコソコに通り過ぎたぁー… 笑
皆さんとほぼ同条件で写真からの推測です、 (本物観たのに残念!)
何方にせよ現在の"木製柄"と比べて重量が有りそうなので長時間は
木製柄に比べて疲れそう。
この頃は曲げ木の技術が無かったのでしょうか?
この頃のなら有ったような気がするんですけど…
日本の曲げ木の歴史をまるで知らないので何とも言えませんが。
曲げ木と言えば 船ってこの頃どうやって作っていたのかな?
日本書紀には、船は"杉か楠で造れ"と指示してあるけど、どうなんだろう??
(処で、楠ってどうやって伐って加工したんだろう? 楠の木の目の流れ知ってる人
なら同じ疑問が起こるでしょ! 伐り倒すのと削るは、理解出来るけど
打ち割りが上手く行くのかな?! よく分かんない?)
しかしながら4〜5世紀頃であれば日本人の「木」に対する精通度合いは
高いと思うので、矢張り曲げ木技術は有ったような … ?
勝手な想像では現在の"ちょうな"の方が完成度は高そうに思うのですが
如何せん昔の人の事を簡単には馬鹿に出来ないと言う所が有るので
鍛冶屋さん、復元してみて!
誰か頼む ! 笑
取り敢えず勝手に"ちょうな"と決め込んでいますが、儀式用の孫の手の
可能性も捨てがたい所です、
"背中掻きの儀" とか有ったかも?
そうなると… 身長が180㌢でも良いような気もしてきます、古代ロマンですね!
ゴメンナサイ!
時代の記録がボヤケてて定かでは無いですが、全て古墳時代だったと思います …
又、一年以内には来る予定なのでシッカリ確認取ります。
其れと個人的な興味なのですが
朱 = 赤 あか!
私的ですがコレも外せません!
ん〜 !
日本人に、(大和民族?)にとっての 「赤色」 コレってどう言う意味が有るのでしょうか?
僕如きに答えが出るとは思いませんが、縄文時代から? 「朱」 は使われています、
それも儀式等、宗教的な要素に用いられています、
コレは単に手に入りやすい色だからとは一概に言う事が出来ないと思います。
儀式用の土偶や有名な縄文土器、弥生時代にも装飾として朱を用いていますし
古墳時代の埴輪も "朱"
棺桶に "朱"
時代は下りまくりですが、「高松塚古墳の女子群像」(飛鳥時代)
は結構カラフルで、実物を見た事無いのですが、最難関の「青」も再現
されているように見えます。
そんな中での当時の堂塔カラーは、"朱" が 主
平安時代の平等院鳳凰堂の阿弥陀如来(定朝)の内繰りの体内の色が何故か 「朱」
日本最古の漆塗り(約6000年前)の色は…
漆のオマケ〜 本当か?
http://blog.goo.ne.jp/kochi53goo/e/55a8cf2ba3258920b1035961bd33bac7
朱色
どぉ?
現代の仏教荘厳にも"朱"は欠かせません。
朱には、なんか有ると思うのですが、改めて「なんか有る?」と思いました。
日本人にとって 「朱」 なんか有ると思う。
そんな東京国立博物館、『古代』の展示でした。
想像に容易いでしょうが、この調子で行けば東博だけで4日は愉しめそうです!
シッカリ観たら…
今日の五時頃には新幹線に乗りたい。
館内図を見ると 「仏教美術コーナー」が有る… 本業やぁ…
今日は観ない! 絶対観ない! 死んでも観ない!
この後気になる"NOW"な展覧会が僕を待ってる!
ただ …
ちょっと、
ミュージアムショップにだけは行きたい!
古い図録が見たい、 チラッとだけ、 ちょっとだけ…
お尻をプリプリさせながら早足でミュージアムショップに向かう、
途中、敵は居た、通りすがりの展示を数枚写真に蔵める(今回全て写真OKのモノばかりです!!)
天井画の花丸〜
枝モノの構図が秀逸! 王道の牡丹
早足超厳選図録とグッズ
光速で選んだけど、まだぎょうさん欲しい図録有ったなぁ〜 …
※其れとひつこいのですが、展覧会には単眼鏡等は必須です!
改めて、是非ともオススメしたい!
(メジャーも有る方がいいかな?笑)
取り敢えず手短に東京国立博物館編はここ迄。
つづく
オマケ
本館正面階段下の親柱照明装飾、右中は正面扉装飾。
西洋と日本意匠の折衷意匠、古墳時代〜飛鳥時代の文様を想起させる
美しい建築装飾文様。
馬の甲冑面白い! (古墳時代だったと思う、下の装飾金物からこの写真で推測… ゴメン、)
戦闘用の馬の大きさと、お馬さんの気持ちの推測可能? 笑
【私的YouTubeコレクション】
東京国立博物館 特別展「春日大社 千年の至宝」 - YouTube
(私的備忘録、1:57の厨子の屋根と軸部の納まりがズレてる、文化財保存の方針〜)
東京国立博物館 特別展「春日大社 千年の至宝」 - YouTube