【刃物鋼の複炭化物と鋼組織】    

 「硬さ判定」 4'の補足

 

 

今まで僕が経験して来た『複炭化物』と「鋼組織」

のまとめ作文になります。
現時点の集大成?(集小成!)の様に成ったので
サラっと読める内容じゃ無くなってしまったのですが、
お時間ある時にでも、   御ゆっくり と、

それに… 本当に、、ゴメンナサイ!!!!
ノートを全てチェックしてまとめたものでは無いのと 、長文なので
表に出してから、少しずつ校正していきます。 加筆有り  あしからず (苦笑…)

 


 ※改めて!
僕の考えは科学的でもなく「都市伝説的」な私信と言う側面が大変
強いので、ソコを皆様に理解して頂きたく、何処の馬の骨か分からん
「素人職人が記録している」 コレを理解して読み進めて頂きたい!
まだまだ理解不能な事が多く困った状況ですが、 頭が良く、行動力が
有れば、もう少し早いのでしょうが。僕の頭では追っつかないので
そこん所宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

 【刃物鋼の複炭化物と鋼組織】

 

 

『注意!』
* ナイタル腐食との境目写真を撮影しているモノが有り、腐食していない所が白く写っています。
* 写真解説の直ぐ後に[ブログ内用語説明]が有ります、
 参考にしないと、訳が分かりませんので御参照下さいませ。
* 組織観察がメインであったので副炭化物が必ずしも写っているとは
 限らないが組織として代表的な場所の撮影という意味では気を使いました、
 あしからず。

今回の写真は本ブログの為に撮り下ろしたものでは無く個人的な過去の
記録写真になります。
今回の文章の為に意図を組んだ写真じゃ無いのが悔やまれますが、
今は忙しくてやってられんのでこの写真になりました事をお詫びしておきます。

f:id:shitekig:20161123223840j:plain


1, 青一
  コメットテイルの尻尾がハッキリと見えてる、
  組織=ミミズ
  エッチング=セピア
2, 青一
  副炭化物小さいがそこそこ散見する
  今回の写真で、22→9→1→2→5 = 亀甲模様に成りかけ→キレイな亀甲 の順番。
  エッチング=虹色
3, 青一
  球状化されている。
  一箇所白い点が複炭化物に見えるが何かの具合でナイタルが
  はじいて付着しない事が有る、この点はそれで有り複炭化物では無い。
  複炭化物は、偶然入っていない。
  エッチング=虹色とセピア
4,.5, 青一
  同じ写真だが4,が拡大写真、
  説明不要の網目クッキリ!で漁をするならこの網を使うだろう (笑)
  教科書的ですよネ!
  研ぎキズが散見していて申し訳ないが、コメットテイルは、偶々
  真ん中の少し右辺りに一つ確認出来る程度だがこの様な雰囲気で

  少ない目です。
  セピア色だが極僅かに虹色が有るような?…
6,  青一
  組織的にはキレイなモノで、小さなコメットさんも有りエッチング
  観察では優秀に見える。
  セピア色

f:id:shitekig:20161123223857j:plain


7,  青一(ホームセンター¥5900)
  疎らにミミズと破れ網が散見する。
  虹色が主
8,  青一(ホームセンター↑同じメーカー)
  ミミズ発生しかけてるの?? 
  どちらにせよ良好な組織
  虹色とセピア? (この色表現ってどうなんだろう?)
9,  青一
  ミミズの散見、もう少し丁寧な鏡面にすれば良かぅたかな?
  セピア色
10,  青一
  中々いい感じの球状化で観察し易いですね。
11,  犬首
  複炭化物結構有り、マトリックスのセメンタイトの大粒も
  散見しで、犬首鋼は、今回は写って居ないが複炭化物の最大径が
  一番大きいのんを確認した事が有る。
  ノートの何処に書いてたっけ? (笑)ゴメン…
12,  犬首
  網目セピア、
  硬い目の個体なのでコメットテイルもおとなしい目

f:id:shitekig:20161123223916j:plain


13,  犬首
  セピアなフルセット!? 網状でマルテン混ざり。

  (※これに関しては、改めて確認しますので保留コメントとしてください!)
14,  東郷レイ号
  もう、慣れてきたでしょう!
  見たままのコメットさんがいまして、The コメットテイル
  ミミズが少しいるけど結構ええ感じ
15,  東郷鋼
  もう、慣れてきたでしょう! (邪魔くさくなってきてる… 笑)
  まあまあ複炭化物多くて、僅かにミミズ有りだが組織良好!
16,  東郷鋼
  組織良好、複炭化物多い。
17,  燕
  一番特徴的な鋼で、天の川の如く複炭化物が全面密集!
  軟らかい個体なのでコメットテイルが全面に現れて鏡面には成らない!
  軟らかい個体であったのが理由なのか、腐食も早くエッチング
  部分は焦げてるみたい (笑) 面白く特徴的!
18,  青スーパー
  優等生な組織で球状化、 しかしこの鋼は複炭化物が小さいという

青スーパーの特徴を捉えているが、青スーパーにしては
  複炭化物が多い目。

f:id:shitekig:20161123223929j:plain

(20,以降のノート発見!)


19,  青スーパー
  まぁ〜 なんにも無いですね! 複炭化物も探さないと見つけられない
  ぐらいで炭素鋼かな?と思ってしまうぐらいです。
  微妙な研ぎキズは何が原因か忘れました…(笑)
20,  青スーパー
  組織はキレイな方で複炭化物は、19,には及ば無いものの少ない
21, 特別刃物鋼
  組織はミミズ? 網目チョイ出てる。
  軟らかいのでコメットテイルのエグれた線が深い!
22, スエーデン鋼(特殊鋼) 古い鉋
  組織はミミズだけどキレイな感じ
  スエーデン鋼だが、スエーデンとは国の名前で(笑)特殊鋼も
  作っていたようで、複炭化物が稀に有る。
23, スエーデン鋼 炭素鋼(現在のスエーデン鋼と思う)
  観察し易い状態だ、セメンタイトが多く見られるので炭素量は
  多いのか? 僕には分からん
24, スエーデン鋼 炭素鋼(現在のスエーデン鋼と思う)
  いい感じ、セメンタイトのつぶつぶの分布に注目、やや偏りが有る
  大した問題じゃ無いと思う。

f:id:shitekig:20161123223944j:plain


25, 白2
  僕の付けた真ん中の縦キズ?以外はコメントが面白くない程の
  キレイな組織
26, 炭素鋼  古い鉋
  エッチング不足… スミマセン。
  偶々こんなのも有ったほうが面白いですよね♡
  組織は、キレイだったような気がする、
  鍛冶屋の友達が刀鍛冶作?と言っていた、 知らんけど
27, 炭素鋼  古い鉋
  セメンタイト少なそう?
  キレイな虹色でこんな風に全部なったらビジュアル的に良いんだけど
28, 高炭素鋼 
  高炭素鋼って何%? キレイな組織ですよね!
  僕のエッチングをもう少しキレイにしてあげれば良かった…
29, ハイス SKH-51
  ゔん〜 何か硬そう、セメンタイト何かが露骨に有る!
  大きい白い物は複炭化物、コメットテイルが無いのはマトリックス
  そのものも大変硬いのでエグれ線が無い!(後述詳細)
30, ハイス HAP-40
  物凄いキレイな組織! めっちゃ硬い
  複炭化物無かった?か忘れたけど、代表的な所を撮影しているので
  少ない事は間違い無いです。

     お疲れ様…

 


 ※ブログ内用語等の簡単な説明
(詳しくは紹介アドレスページへ)

* 「複炭化物」
  鋼種類によって 数/大きさは、様々だけど。基地(マトリックス)の中に
  点在する。
基地(マトリックス) =  http://www.daiichis.com/shear/material_index.html
   この部分が分かり易い? ↑の抜粋  
 >〜白い塊の炭化物が点在しますが、それを除いた部分はマトリックス(素地) といいますが、
 > マトリックス中にも合金成分が溶け込んでおり、強靭性が高くて耐摩耗性に優れている鋼種です。
 > この炭化物はクロム(Cr)系の炭化物です。〜
  取り敢えず超硬合金の硬ったい粒で、大きさはμ〜μぐらい。
  http://www.netushori.co.jp/story/07.html

* セメンタイト↓
https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&url=http://www.mmm.muroran-it.ac.jp/~isaos/page14/page18/files/FS090508.pdf&ved=0ahUKEwjC3u2s_sDQAhWBvZQKHSnCCT4QFgh3MBc&usg=AFQjCNF9n5ajmTAXXPh0jxoonqwvt2Ddag&sig2=2g0yLbz-sCpRfnN2znSgiA
 基地(マトリックス)の中に混ざって出来る硬い合金

* 「コメットテイル」 
  特殊鋼の複炭化物が研ぎにより引き起こす現象
  (下の方に詳しい説明文有り)  

* 「尻尾(しっぽ)」
  研ぎによって出来たコメットテイルのエグれ筋の事(後述詳細)

* 「目玉」
  副炭化物の事、コメットテイルの起点にあたる(後述詳細)

* 「網状 」(亀甲模様)
  鋼組織の状態で網目に見える所が硬くて脆いとされるセメンタイト
  しかし意外と高性能な刃物の組織がアミアミだったりする。
  「網目」でも勝手に「破れ網目」とか、「網目出来かけ?」とか
  「網目模様が出来かけている?」事を、
  ↓「ミミズが少し手を繋いでいる」と言う表現もする事が有る

* 「ミミズ」
  網目では無いが網目の線(セメンタイト結晶の線)だけが、
  疎らに散見して線は繋がって居ら無い。(手を繋いでいない)

* 「マルテンサイト(南天状/針状)」  
  組織の状態で焼入れ温度が高すぎた時に出る、全面マルテンサイトで
  有れば、経験上刃欠けが起きる、刃物として評価以前の問題。

* 「球状化」
  マトリックス組織が「網目/マルテンサイト」では無く、セメンタイト等が
  均一に混ざりあってる? しかし製品状態の鋼のセメンタイトが
  なんとなく粒で有るが一部に偏りがあるモノか有る、これは、
  鍛冶屋さんの腕でどうにかなるものでは無く製品の問題だが、
  妄想!で書いてしまうが、あんまり大きな影響はないんじゃ無いかな?

* 「エッチング
  単に腐食させる事も同じ呼び方をするが 、今回は鋼組織を観察する
  為に腐食させる事を指す。

* 「虹色/セピア」
  エッチングにより腐食された状態を色で判断
  青色を基調に虹色の様相なモノを=虹色
  まさしくセピア色=セピア
  (この判断方法は有るのか分からないが、聞いた事が無く未知なる
  判断方法だが明らかな色の違いを認める! 色の違いが何を意味するのか
  今の所、全く分からん?)

 この観察をしっかりしようと思うと、倍率を×100/×200/×400ぐらい?
を撮影して全体(複炭化物の分布状況)〜複炭化物のアップ
(複炭化物の大きさやコメットテイルの様子)を分かり易くして
スケールを入れて複炭化物分布の大まかな記録と〜最大径、硬さが
な〜んとなく伝わるコメットテイルのしっぽのエグれ深さを研ぎにて
再現して等〜 …  を用意すれば良いのかな?  ゴメンネ♡

 

 どうでしょう?
これがご覧の通り金属顕微鏡で見る各種鋼の複炭化物と組織です。

一例だけ見るより数を列べる方がとちょっと面白いですね、
 組織を観察するには、ある程度傷の少ない鏡面に試験箇所を研ぎ上げ
「ナイタル」と言う腐食液を付けて観察し易い腐食具合になったら
クリーニングします。
試験日は全て同じ時でナイタル付着時間は個体によりまちまちでした、
コレだけ一気に試した事は無かったので個々の付着時間を測っていなかった
のですが、同じ条件でも腐食時間が違う事は鋼の状態の差(個体差)
に繋がるので記録をとるべきでした…
しかしながら液を付けた瞬間に腐食が始まる物、全く反応せず
かなりの時間を要したもの(ハイス系)様々で、完全に同じ腐食度合い
に揃えることは難しく感じました、しかしながらここで言える事は
  「硬い⇒軟らかい」=「腐食し難い⇒腐食し易い」
 其れと、試験日の温度の記録がないのですが、28'2月の晴れの日の
屋内にて、付着場所は日向で行いました。
これは温度により大きく腐食時間が変わることを述べたいと言う事です。
 其れと、色調に着目した比較ですが虹色になっている物も有り、
地味なセピア色になっている物も有り、様々な様相です。
大きな違いが有るのでこの方法だけでも組織観察以外の「鋼状態の個体差」
を推察する事が可能でしょう!     (ホンマかぁ〜? 笑)


 どうでしょうか? 
見た感じ複炭化物って悪そうでしょう!? (笑)
この複炭化物は、めっちゃ硬い超硬チップで、大きいモノは
ガラス片の様にも観えます。

 

 『研ぎにおける複炭化物が及ぼす弊害』


複炭化物は、写真のような形状で、直径は1μ〜20μ〜?等様々ですが
鋼の種類により分布数と大きさに傾向が有ります、
(※経験測と所有鋼に限り、の個人的な主観です)

* 「あっ! コレ特殊鋼だったの?」と言う位、複炭化物が少ないもの(19,22)
最大経5μ位が疎らにある物
* 顕微×400で観て(画面上×の範囲中で)必ず見つける事が出来る
多さ(直径2〜10μ)
* 最大経がデッカイ物が有るもの
 犬首=22μ
* 副炭化物で埋め尽くされている様に見えるモノ [燕鋼]

「稀 → 疎ら → 直ぐ見付けられる → 多い → 全面やんけ!」
「2μ位ちっちゃい → 5μ位→ 10〜13?μ位デッカイ → 20μ〜デカ過ぎやろ!」

 

 

ちょっと補足の為に写真を撮り下ろしたので紹介します。

写真、A群

f:id:shitekig:20161201011724p:plain


1〜4,は、青スーパー鋼(普通の硬さ)
5〜6,は、犬首鋼
1, ×100 複炭化物とコメットテイル と、 他は全て錆!
  サビは、環境に因りますが、かなりアッサリと錆びる事が有ります、
  砥石2000番で研いでも研ぎ方によっては取れ難い位DETH。
  皆さん気を付けましょう!
2, ×200 複炭化物とコメットテイル
3, ×400 複炭化物とコメットテイル
4, ×1000 複炭化物とコメットテイル
  二本のコメットテイルの間が5μで複炭化物は少し小さいです。
  コレは… 複炭化物の粒が最大5μ有ったのですが研いでいるうちに
  消滅に向って小さく成ってる途中過程で、元の深いエグれ筋が
  残痕として残っているモノと推測しています。
  この個体は、普通の硬さでコメットテイルは、普通に発生します。
  そこそこ硬い刃物でないとコメットテイルは、普通に発生します。
5, 犬首のデッカイ複炭化物(硬い目の刃物)
  刃先近くに有りました、赤矢印を中心に右の方は完璧な刃先が
  付いていますが、左の方はコメットテイルの影響が出て少し乱れています
  因みに今回の全ての研ぎは、観察し易いように3.40000番位?のキズに成ってます。
  硬い目の刃物なので極端なエグれは発生しません。
6, 犬首のデッカイ複炭化物の拡大写真
  デッカイ! 最大径22μm
  以前もう少しデッカイモノを記録した覚えが有ります、
  SKH-9も同じような感じだったと記憶しています、
  確か ?… …? 犬首がモデルだったような?  不確か… スンマセン。


  
写真、B群

f:id:shitekig:20161201011951j:plain

 

全て同じ青一の刃物 (軟らかい刃物です。)

1, ×100  複炭化物達で1,の画面巾が340μm(0.34㍉)こんな感じて
  沢山複炭化物がウヨウヨしています。 残念! でもウチのエース (笑)
2, ×200  複炭化物 (1,の左下の一番ごっついやつ)
3, ×400  複炭化物
4, ×1000 複炭化物 ピント頂点部(複炭化物のテッペン)
5, ×1000 複炭化物 ピント中間 (真ん中位?)
6, ×1000 複炭化物 ピント最深部(エグれ最深部)
※細かな観察をすると面白い事が観えて来ます!
 軟らかい刃物である為、錆びたように極端なエグれ方をしてます!
コレで薄削り等は多分不可能でしょう (笑)
でもウチのエース! (笑) (コレが無いと仕事が出来ない鉋♡)


副炭化物の散見状態と大きさと、コメットテイルは、ざっとこんな具合です。

 

 

 

 


 研ぎ易さですが、

複炭化物が有るモノでも(特殊鋼)多くは基地(マトリックス
で占められているのでマトリックスの硬さが研ぎ易さとなります。
「基地(マトリックス/地)の中に複炭化物が散見する」
マトリックス
http://www.hitachi-metals-ts.co.jp/zatsugaku/tissue.html
 一般的に研ぎ難いと言われるものは複炭化物が入っている
特殊鋼ですが、僕の硬さ判定にズレがあるとしても、
青スーパー等ここ迄違うと、矢張り鍛冶屋さんのさじ加減でマトリックス
の硬さ(研ぎ易さ)はどうにでもなると言う事が理解出来ると思います。

 鋼は同じでも刃物個体差が有りますので、特殊鋼の刃物硬さ違い
マトリックスの硬さ)が研ぎによりどういう現象が起こるかと言いますと、
〈軟らかい特殊鋼〉は、複炭化物(超硬チップ)とマトリックス
硬度差が大きいので研ぎに時に研ぎムラが生まれます、
コレは特殊鋼に於いての事ですが、顕微鏡観察では、複炭化物の"頂点"と
そこ以外の"基本となる面"(全体の研ぎ面)のピントが合いません、
コレは高さの違いが有る事の証明で、複炭化物と基本となる面の高さは違います
 想像ですが、固定砥粒(砥石)面のみの研磨で有ればこの様な
高低差は少なく硬さに無関係に平面に成ると思いますが遊離砥粒(砥汁)
が関係してくると、遊離砥粒の大きさ等に比例して高低差も生まれると
勝手に考えています。 ※写真、B群参照


⇓紹介ページの「ラッピング」の項が同じでは無いですが参考に成ります。
「ラッピング」の後 、下の方ですが「トラブルシューティング-ラップ痕跡」
の写真が何かとイメージし易いので是非!
http://www.struers.com/ja-JP/Knowledge/Grinding-and-polishing#grinding-polishing-about


【コメットテイル】
 そんな事よりもう一つ大きな事象が起こります!(怒ります!!)

(ようやく説明でゴメンナサイ!)
「コメットテイル」の発生DETH。
『コメットテイルとは、顕微鏡等で拡大観察すると複炭化物を起点として
尻尾の様に走って見える物』です。
今迄の写真に多く散見する物です。

コレは手研ぎ時、特に軟らかい目の特殊鋼刃物に顕著に現れる現象で
上手く表現するのが難しいのですが、
  ↑※写真B群参照↓
 川の中に石が島のように水面から出っ張ってると想像して下さい、
水は石を避けて流れて行きます、この「水」を「遊離砥粒」と想像
して下さい、
複炭化物(石)の両サイドの遊離砥粒(水)の密度が
高くなり其の部分だけエグれた様に研磨されます。
 軟らかい刃物(マトリックス軟らかい)程、複炭化物との硬さの差が
生まれ「コメットテイル現象」が起こりやすく成ります、
コレは顕微鏡のピント違いでの観察で確認する事が出来ます、
 また、押し(引き)だけに力を入れて研いでみると「コメットテイル」
は副炭化物を起点に研ぎ角度へ一方向だけ現れます。
(写真は、僕の癖で前後力を入れて研いでいるのでコメットテイルは、
複炭化物を起点に両方向に尻尾が出てます)

こんな図を描いてたのを忘れてた↴

f:id:shitekig:20161205124506j:plain

多分こんなイメージと思います。

 


 この深いエグれキズが刃先に及ぶと次の写真の様に成ります。

『コメットテイルが刃先に及んだ痕跡の定点写真』

f:id:shitekig:20161201012054j:plain


1,スクイ面
2,鎬面
3,刃先正面 (ピント=刃先)
4,刃先正面 (ピント=欠け最深部)
(因みに、三ヶ月前程に初めての定点撮影が成功した記念すべき写真です!
この写真は相当レアで殆ど撮影された事が無い写真だと思います。
僕は勉強不足で他に知りません、だから正直褒めてほ欲しい!!!)


どうでしょう? 

 なぁ~ンか、  やぁ〜な感じです…

切り取り線効果です。
詳しくは、削ろう会誌No79のやつ参照していただければ良いのですが、
刃先は、鋭く厚みが薄いのですが、切り取り線効果での刃欠け最低部
は、刃先厚みが分厚くなっており、刃先が台形?の様に成ってます。
 まぁ、 最低ですね! (笑)  (1/100?の鉋エースなんですけど 笑)
流石にここ迄酷いと初期の削りは、当然、鉋屑は割れ、スジが引いたり
します。

 研ぎ方である程度↑の写真よりマシに克服する事は可能ですが、
完璧に近づけるのは難しいです。
ただ! ※酷い物でない限り仕事に大きく邪魔をするモノでは無い事
が多いです、この写真は理解し易い様に軟らかい目の刃物の写真で
撮影しましたので、硬い目/普通の硬さの刃物で有ればこれ程の
深いキズには成りません。
此の刃物はウチのエースの一つで甘切れを感じ、永切れを
実現してくれる鉋で1/100???位に稀な鉋だと感じています。
 硬い特殊鋼は、複炭炭化物(超硬チップ)とマトリックスとの硬度差が
少ないので、前述の様な効果が抑えられ、所有の硬いハイス系鋼等は
コメットテイル現象の発見に至らない程です。

「副炭化物」と砥ぎによる「コメットテイル」現象の紹介でした。

それと、「コメットテイル」と言う名前は僕の創作では無く
論文に表記してあった物で偉い先生が付けて下さった名前を拝借
しています。

石社さんへ 「コメットテイル」銘の紹介ありがとう!  生きたで。

オマケ、
珍しい写真を発見した、
先程のページのめちゃくちゃ下辺に「コミットテイル」なる呼称で説明
されていて。
定盤が極端に軟らかく(布や革?)、機械で摩耗させた複炭化物の
様子の写真が有る、この条件での摩耗がどの様な事になるか、
凄く理解し易い良い写真なので一目見とくと参考になると思います。オススメ!

http://www.struers.com/ja-JP/Knowledge/Grinding-and-polishing#grinding-polishing-about


『複炭化物と刃物硬さと組織個性のまとめ』

複炭化物は、
*「多い〜少ない 大きい〜小さい」
* 軟らかい刃物の複炭化物は、コメットテイル現象を引き起こし易く
 深いエグレ掘れが起こり、研ぎによって刃先に影響を及ぼす。
組織は、
* 球状化〜ミミズ〜破れ網状〜網目状、 マルテンサイトが有る

組織と硬さの関係は、組織を見ても今の所全く見出す事が出来ないし、分からない。


今回は、肝心な刃物評価報告をしていないのでしっかり言及出来ないのだが
前述全ての悪条件?と思われる事を踏まえても、切れ味に関しては、
大した弊害では無い物が存在し、それどころかこの悪条件の中でも
1/100?位(笑)の確率で、研ぎに工夫をしなければいけませんが
素晴らしい個体が存在すると言う事実があります。

 


そういえば、僕はしんきくさいので、手順として
「刃物個体の状態を指し示し、その上でその物の個体性能を観察していきたい」
そんな考えがどうしても有ります。
ただ… 単に評価する事が、なかなか文章にしたり他人が納得行くカタチで
表現する事が困難だと言うハードルが有ると言う理由も大きいですが…
早く「切れ味」評価を報告したいものです。


取り敢えず、
以前、鋼により切れ味がどう違うのか? と言う興味が有ったので
何となく集めた鉋刃鋼違いの所有種類の現状と組織状態の紹介ですが、
写真の「青一」シリーズだけ観察しても、ひと皮剥けば(ナイタルエッチング
皆別人です。(笑)
 「青一」だけをクローズアップしてみても今回の結果は、
僕の大嫌いな表現で恐縮で土下座したいくらい謝りたい表現で大変申し訳ないのですが、
    "刃物の個性はそれぞれです"
(曖昧で気にくわないのですが僕には簡単に文章にまとめられないので
追々少しずつ書き綴って行きます。スミマセン!)

「青一」固有の鋼個性は、僕には一生分からないと思います。
コレは興味の対象外と言う理由が最も大きく誰か優秀な方に委ねたく
思います、 我!と言う方報告お待ちしております!!!!!!!!

 前述の通り「青一」の中で相当な刃物個性が有ります、
ましてや他のハガネも青一と同様な個体差が有りますので僕の手に
余る状況と感じております。(同じ鋼でもロットの違いは必ず有りそう)
正直、「やってらんねぇー」と言った様相でございます。

 それと… 誤解を生む可能性が有るので詳しくは述べられませんが
ウチの「大当たり!コンビ」の二個体の組織はどちらも「亀ちゃん」
です。
しかし、別の大当たりと呼んでも良いような素晴らしい個体の組織は
完璧な迄の「球状化組織」です。


 この事から…   (誤解を招くのが凄く嫌ですが!)!!
組織が「アミアミ(亀甲模様)」でも良好な鉋は存在します、
揺るがぬ事実です、
「完全球状化組織」の物も矢張り一般に言われる通り素晴らしい
個体が存在します。
  「鋼組織はなんでもええのんか?」
   (マルテン、南天組織はダメでした)
 分りかねます…
もし?ウチのエースコンビが美しい「完全球状化組織」であれば???
この事は今の所ブラックボックスで、
 後進に期待!  報告待つ!!!!!!!!!!!!!!!!!!


まぁ、一応、知的好奇心により組織や複炭化物の分布状態や大きさ
なんかが気になり、金属顕微鏡を持つと観察してしまうものですけど。

結局、大した成果は無く。 「確認した」と言う程度です。
何故か? と言うと、『切れ味が問題!』 ココに尽きるからです。
僕には薄削りの事は余り分かりませんが。
軟らかい刃物個体で複炭化物が有れば、
薄削りに必要と思われる、鋭く刃先厚みの薄い研ぎ加工は大変困難で
「刃付け」という意味だけ、においてはなかなか難しい事になるでしょうが。

軟らかい刃物個体の特殊鋼(複炭化物結構有るやつ)でも
杉等の難削材や欅等の硬木の良好切削が可能で120点のレジェンド鉋が
存在します。
(質より量な職業柄、所有鉋の九割以上が納得いっていない環境です。
山本さんでは無いですが、鉋は「刃先に根性が無いとダメだ!」
なんや、分からんようでつくづくよく分かります、大変共感出来ます!)

 

 以上の理由から現在は組織や鋼の違いには余り興味が有りません。
理由は、同じ鋼でも鍛冶屋さんのさじ加減で微妙に違いが生まれ
全く別の個体として存在するからです、

 人間(鋼)としたくくりでもそれぞれの遺伝子(鋼製造ロット?)を持ち、
更に環境によって!(鍛冶仕事)其々の個性が生まれると言う現実があるからです。


 ある鍛冶屋さんは同じ鋼しか扱わない方が居られます、
「なんでいろんなハガネ使わへんのやろ?」
素朴な疑問です。


 鉋のお勉強を始めた頃は、「ハガネっていろんな種類があるんだぁ〜」
ネットで見たりすると「○○の鋼は、〜な切れ味だ」とか書いてあったり
して僕なんかは興味津々でした。

「有名な大工さんが 〜鉋は、ダメで鍛冶屋に文句を言ったら、
ひと裏使ってみてくれと言われたので、我慢して使ってみたら見違える
程よく切れて、それ以来その鍛冶屋さんのモノ一本で仕事を成され
ハガネは、〜鋼(特殊鋼)だった。」
鉋には男好きする逸話や伝説の様なモノが多分に漏れず有り
興味をそそられる!(笑)
 
この様な話があると思えば、
飛び抜けて「切れ味も永切れも、いわゆる良好切削の大当たり」と
言う垂涎の鉋刃!  
       其のハガネは?   
                「炭素鋼」

なんn〜じゃそりゃ!

 でも現実です。

タダの良質炭素鋼でも垂涎の鉋は存在します!
タダの良質炭素鋼でも垂涎の鉋は存在します!
タダの良質炭素鋼でも垂涎の鉋は存在します!

ご存知の方も居られるでしょうが、鋼により扱う設定温度や時間が
変わるようです。

鍛冶屋てなくてよかったぁ〜  (笑)


だから先程の、同じ鋼しか使わない鍛冶屋さんは、好みの使い慣れた
ハガネで試行錯誤を重ねて居られるようです。

しかし特殊鋼等、多種の鋼の可能性も捨て難く、実際「大当たり」な
120点の鉋は存在します!         (今回の写真に含まれる)
                   さぁ、
僕ならどうするのかな?  …
多分、色んなハガネを触りたくなるけど炭素鋼一本で、お試し位で
他のハガネも叩くのかなぁ〜    妄想はさて置き。


 
今回の写真中に間違い無く「良い刃物と良くない刃物 永切れ〜」
が写り込んでいまする!
全てしっかり調べて無いので今回は言及致しません。
兎に角今回は、複炭化物に焦点を当てた作文ですので「組織から見る
切れ味の違い等はまた何れ報告出来ればと思います。


でも… 組織とか〜どうでも良いのでストレス無く簡単に仕上げて
くれる刃物を簡単に検出して、お勉強を完結したいものです!

 

 

 


                     敬具

 

 

 

 

 

相変わらずこのブログ、地味で人気が無くてアンケート計画はどうしようか
迷ってます、他にも情報収集の為のアンケートしたかったのですけど
どうしよう?  …
ホントは身内への業務連絡的な内容なので読者は、十数名居れば OK! 嬉!
なんですけど、
    「鉋アンケート」は考え直します。

 其れと、こんだけ欲張りに書いたので、誤認、間違いが有る筈です!

皆様のお力で、この稚拙な作文を完成させて下さい、

ただ見は、ダメです! (笑)

 

こんな都市伝説作文が皆様の見識を惑わせては、断固!いけません!!

疑問箇所は、放置しないでコメント欄に必ず書いてください!!!

頼むでぇ!

何卒宜しくお願い致します。

 


今度こそ 【機械的切削信者から鉋個体性能存在への覚醒】  1   です。
書き進めると、どんどん文字数が増えて行く癖をなおしたいなぁ〜

『瑠璃光寺五重塔』の考察〜 (秋の古建築弾丸ツアー)   

28' 11/21妻木先生の図面追加、桁と実肘木造り出し文追加等。

28'11/27メチャメチャええ須弥壇の写真発見!

 


 クソほど長い作文で最初が一番面白く無いモノですが二週間以上かけて
本塔について考え、『瑠璃光寺五重塔』の魅力を知って頂きたく!! 
序に私的なモノ作り感を書き綴っていますのでお気軽に読める内容
ではないのですが、是非頑張ってゆっくり読んで頂ければ大変幸せ
に思います!             

                       敬具

※一応古建築に明るく無い方用に注釈は入れているのですが、言葉
足らずの力量不足等でご迷惑をお掛けします。


 旅のファーストコンタクト

  『瑠璃光寺五重塔

f:id:shitekig:20161114221700j:plain

 

良かった!
天気も良かった!
立地場所も最高だった!
瑠璃光寺五重塔(設計者)にしてやられた!  (嬉!)

 

↓必要な時に確認して下さい。
寺院古建築様式の違い
和様、唐様(禅宗様)、大仏様(天竺様)
http://masa4534.blog.fc2.com/category44-4.html
(何れまとめますが今回は他人のページにて確認して下さい…)

 

〜先ずは簡単な紹介から〜
 時代は室町時代(1442年)で
建築様式はほぼ和様が基調だが、二層に有る高欄親柱の擬宝珠(24-25')と
隅木の雨蓋(20)と、三層の板扉(10)の軸受けの藁座(図.う)(図面を見ていて
今気付きました…)
まだ有った… 肘木(15)の下端曲線(17)の木口に和様のような明確な区切り
が無く、曲線形状から観ても唐様式(禅宗様)と言える建築のようで、
細部意匠等の輪廓線(アウトライン)は、唐様の影響が垣間見える。

f:id:shitekig:20161114221809j:plain


瑠璃光寺意匠説明写真〜

1,長押 2,半長押 3,柱 4,腰長押 5, 6,枠(唐戸面) 7,弊軸(唐戸面) 8,連子窓枠 9,透かし連子窓 10,板扉 11,飛長押 12,台輪 13,大斗(隅)
14,大斗(平) 15,大斗肘木 16,隅行肘木(二段目) 17,肘木下端曲線 18,鬼斗 19,桁+実肘木(一体) 20,隅木鼻と雨蓋 21,茅負い 22,裏甲 23,軒付け 
24,高欄の擬宝珠

f:id:shitekig:20161114221917j:plain

25,高欄 25',擬宝珠 26,菱形彫刻 27,屋根流れ 28,斗供

f:id:shitekig:20161114222305j:plain

(スンマセン…横に成ってるかもしれませんね♡)

図,あ 瑠璃光寺五重塔一層平面 (円須弥壇のイメージ)

図,い 塔の一層拡大図

図,う 藁座(ワラザ)扉の軸受装置

図,え 実肘木の肘木鼻が絵様繰り型に成ってる(唐様)

youtu.be

2.00~と4.00~位に少し細部観察が出来る。

 

f:id:shitekig:20161121200649j:plain

f:id:shitekig:20161121200738j:plain

今回の弾丸ツアーの講師をして頂いた「妻木靖延」先生の御書きになった貴重な図面を

一分足らずの電話内容でしたが(笑)掲載許可を快諾頂き誠に感謝致します。

(しわくちゃでスンマセン)

 

 

 付け加えると後ろの山を少し上がり眺め観ると、一層では無く、
二層目の盲目窓(白地板?)に横長の菱形紋彫り(26)(大内氏=発注者の紋)
がくっ付いていました。
 和様が基調としましたが全体に純然たる和様感をそれ程感じさせず
唐様を感じるか?と言うと、そんな事は無く矢張り繰り型が三層目  
板扉の軸受に有するのみなので(藁座、図面にて確認したのみ…)
パッと観て繰り型不使用とも感じる。
 作り手からすると、新様式の繰り型を実肘木等に使いたくなるモノ
です。  
一般的に、
「ちっちゃいより、大きい方が何か良いように思う」
「手が込んであったりする方が豪華に見えて良い!」
いつの時代も「あるある」です、
この塔なら実肘木(図え)に繰り型を付けそうなものですが和様を選択
されたようです。
 其れと、瑠璃光寺五重塔設計者は、一〜二層迄しか開口扉の弊軸(図い、写真7)
(「唐戸面」(図い)最古?は平安の平等院鳳凰堂透かし連子窓枠で使用、
唐戸面は唐様以前から存在、和様)
を設けず、三層目開口扉の軸受「藁座」(図う)に唯一の繰り型を採用
しているのみに成ります、この事は「唐様」を所々に採用している
にも関わらず、矢張り和様のスッキリとした美しさを好みとしていた
ように感じます。
(「繰り型」(図う.え)使用の見た目の効果を改めて感じました。)

そう言えば、雨蓋(20)ですが後ほど紹介する、富貴寺大堂(平安後期ガッツリ和様!)
とは真逆な芸風で、当然富貴寺大塔には和様なので雨蓋(20)は有りませんが
(隅木部材保護の為雨蓋は美観を損ねようがなんだろうが付加賛成!)
本塔の雨蓋の付加という意味だけでは無く意匠上の事ですが、隅木鼻(20)
のお辞儀具合が少々強過ぎるように思えます、これ程迄の転び(傾き)
はおぼろげな記憶の中でも他に思い浮かびません、癖が強いので和様
スッキリ系を選択しておられる方なので何か意図が有るようにも感じます。
下から見上げると、隅木木口が僕の方(下)を向いている位で、
一〜四層(下から一層~)の優美な軒反りとは少々不釣り合いの様にも
思えて、 少々??  …  ?
 擬宝珠(25')は、調和/好みとは別腹で、ちょっとした古建築を見る上での愉しみで
もっとジックリ観たかったのですが、矢張りもう少し倍率の大きい双眼鏡
でないと、どないもならん状態で、古建築観察グッズに必要な物と感じました。
(三層藁座(図う)も然り… 手持ち側面図では確認出来無いので)
その他は、和様が好みなのですが具合の良い折衷様(和様+唐様)で、
唐様(禅宗様)の木割(構造材の寸法)の細さからの影響が有るのか
和様の代表選手「醍醐寺五重塔」(時代が離れ過ぎですが…)等と違い
好みの木割(部材の大きさ)です。
僕の中で滋賀県湖東三山の西明寺三重塔に並ぶラブリーな塔と
成りました。

古建築の見所で外せないのが「軒反り」ですが、大変美しいモノで、

一層〜五層まで軒の茅負い(21)/裏甲(22)/軒付け(23)等ぶ厚くなく軽快で、
軒の反りとの調和が程良く取れた好みの転び(21~23. 傾き)で、
長刀反りで在りながらさほど長刀感は無く穏やかで優美に観える軒反り
でした。
 しかし、一〜四層の屋根の流れ(27)が少々緩く、  、
緩い方が大好き!なのですが! 物足りなさも少し感じました。
この理由は少し屋根厚みが薄く(薄っぺらく、ゴメン!瑠璃光寺五重塔…)
観えてしまった事です、
(クドい様ですが流れが緩い方が大好きです!)
そして、この塔は、創建当時も遠くから眺める事が出来たと、周辺の地形から
推測します、之は平安期~の山岳寺院の様に至近距離で込み入っている所では
屋根の流れ勾配は、大きな観点と成り難いケースが有りますが
(たいがいは何とか見えるけど…)
この塔は、まぁまぁ丸見えで少々薄い… ?
それと、この山口県山口市香山町の気候をあまり知らないで言うのも
なんですが、雨仕舞いも少し心配です、五重の屋根が重なっているので
まぁまぁ傷みが出てくるのは軒の周りで、塔身近くは傷み難いのですが。
(北面は日射の問題で矢張り屋根流れに苔が少し有りました)
 結局この塔の軒反りは、比較的穏やかな曲線を持つ軒反りで屋根
流れも緩い目と成ります    が、
 実は、先程から五層目コメントがほぼ無かったのですがぁ、
五層目単体に注目してみましょう、  すると?
「ちょっとキツイ反りかなぁ〜?」と思ったりしてしまいます、
全体を観察してみると矢張り、 一〜四層の軒反りと比較すると反り
がキツイ!  好み的にもキツイ! 他層軒反りの調和的にもちょい
 キツ目   ん〜 ?  n〜 ??   NNn …
      悩ましい…  
全体の軒反りのみ注目すればヤッパリ五層目がキツイ、他に類例が
無いか確かめて見たが(五.三重塔、多宝塔118基 。写真は、「真実を
写すと書く」が広角レンズを使うとええ加減で困る )、
僅かだが多宝塔にこの様なケースが有った、そして三.五重塔中では
寛永寺五重塔が本塔の様に五層のみ反りを強くしている

f:id:shitekig:20161114221327j:plain

寛永寺五重塔
その他の塔は皆、各層の軒反りは大方其々に準じた反りと成っていた、
  「デザイナーの意図を感じる!」 
 何故だ!     
寛永寺五重塔のナナメから撮った写真で確認し易いのだが、仮に
五層が一般的な「各層に準じた反り」で有る事を想像してみると
どうだろう? 見た目の違いをイメージし易くハッキリと塔の印象
が違うと感じます。

※ココで改めて書き記しておきたいのですが、「建築」は遠くからも
近くからも鑑賞出来るモノです、
此れは、可能で有れば遠くからも近くからでも観れるデザインが
求められます、マニアに成れば細部意匠観察に陥り、全体の調和を
忘れる事が暫し有ります(自分に当てはまる)
遠くから観る時は細部など「ただの全体を観るためのパーツに過ぎない!」
と言う事です。
デザイナーは、遠くから? 近くから? 何方かを優先しなければ
ならないと言う選択を迫られる場面も有るでしょう、
全ての調和を考えて観察対象を捉えて行きたいものです。

  ん?

            n? …

                       n、、、、

 


うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
   
           ウォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

       凄い!

   コイツまだ有る!   
              まだやっとったぁーっ!  

今図面を見て気付いたんですけど、一〜三層迄長刀反りやけど
四〜五層と真反りにしてやがる!

f:id:shitekig:20161114224953j:plain


 ちょっと感動で目頭が熱い!    オレも熱いナウ!
   凄いでぇー    飛び抜けて凄いデザイナーやでぇーー!
ホンマに感動やで!
こんなんで感動出来て幸せや!     うぅ〜 …   何をしてくれてんねん! モォーッ
コレやから日本に生まれて良かったと思う!
コイツ天才や!         LOVE♡
そら スラリとキレイに見えた筈や
ホンマに何考えとんねんやろ。    大好きです!

f:id:shitekig:20161114222341j:plain

(ごめん、横に成ってる… いつか直すかも?)

図,1 金剛寺多宝塔上層隅行斗供(鬼斗だけ別部材)

図,2 真ゾリと長刀反り

図,3 浄瑠璃寺五重塔隅行斗供、斜線部が一木造り出し

図,4 浄瑠璃寺五重塔鬼斗

図,5 持ち送りイメージ図

(せり出し方向に"ナナメつっかい棒"的な役割)

 

ど〜もこの様な軒反りの組み合わせにするとスラッとしたプロポーション
に見えます!(僕には!)
 この頃の軒反りは「長刀反り」が主流で、作り手から言うと「真反り」
というのは「勘弁して欲しい!」と言うのが正直な所で、手間が
めちゃめちゃ掛かります、当然コストパフォーマンスは、最悪DETH。
そんな理由も有り、「真反り」は飛鳥〜平安時代迄が主流で、
特に江戸時代等は「真反り」を有する軒は有るのかな?
といった具合です。
彼(棟梁)は「長刀反り」が主流と言う事を一旦廃し、
この塔に相応しい軒反りを選択されたと想像します!
結果、
一〜三層長刀反り、四〜五層真反りとし、
574年後の僕を虜にしたと言う事実が導き出されました。

「一〜三層長刀反りは、手抜きに有らず!」

 ※ゴメンナサイ、話が若干逸れますが改めて…

 仏教伝来によって倭国に様々な物がもたらされました、
仏教は勿論の事ですが、(仏教は一つの学問的要素も強かった様です)
そして、建築/土木/文字/製鉄/製銅/鋳造/止利仏師/瓦博士/絵画/木工…
他にも沢山有ると思います、其れらのブランニューな「大陸文化」を
日本人はどんどん呑み込み  [ 模倣〜我がモノへ ]([奈良〜平安])
「我がモノへ」此れが顕著に花開いたのが学校でも習った平安時代
「国風文化」です。
「平仮名、大和絵〜」等が有りますが、この時期にブランニュー文化や
技術を自分のモノへ吸収し、消化し、新たな日本のカタチ? 文化として
日本人は表現しました。
古建築に於いて平安後期の平等院鳳凰堂が和様建築完成と言われています。
(余談ですが、木工芸の一つのカタチ「鷺足机」ですが平安後期に
完成を見たと感じ、同時に「鷺足机」の頂点に有ると感じています。)
 この様に自国のアイデンティティーとして上手く表現しましたが、
鎌倉時代に入り仏教の禅宗が本格的に入ってきたりして、建築界に
於いても同時に新たな建築様式が入ってきました。
         [鎌倉時代]
           Ⅱ
  「唐様(禅宗様)/大仏様」の建築様式が入って来る
           ↓
       「和様+唐様/大仏様」= 折衷様式
古墳時代飛鳥時代への強烈な変革では無いものの、矢張り大きな
変革として流入して来ました。
 そして…
其のブランニュー様式を呑み込み [ 模倣〜我がモノへ ]=[鎌倉〜 ]
 そうです、 話の意図は掴めたと思います (笑)
瑠璃光寺のデザイナーは、昔からの様式は然り、新様式をも熟知し
自分のカタチを模索し表現御されになったと感じてしまいました!  
  
           カッコイイ !  

        「継続は衰退なり」

本当の意味で彼の行った行動が真の「伝統」と僕は感じます。


山口県や東京在住の方は確認してみて頂けたら有り難い、類例の少ない軒反り
の組み合わせなので、五重塔の発注が有れば一つの参考としてみては
いかがだろうか?  (笑)
                感想コメントを待つ!


 更に!

軒反りをフューチャーしてきましたが、「逓減率」にも軽く触れて
おきます。 (逓減率の説明、是非!↴)
http://www5f.biglobe.ne.jp/syake-assi/newpage778.html
↑にも書いて有りますが、本当に時代が下るにつれて、法隆寺五重塔
のドッシリ安定感の有るピラミッド型(上に行く程柱間巾が小さく
成っていく、大陸はこのタイプが主流、だけ? 法起寺三重塔凄い
http://jp-isan.com/hokiji.html  広角レンズで誇張アリ…笑)
ほぼ真っ直ぐ建ってるんじゃないか?と言うぐらい(塔身巾平行?
例=日光東照宮五重塔)の逓減率となる。
http://blog.livedoor.jp/yamayamaueno/archives/51205704.html
(知らん人のブログ…)
其れからすると本塔は平均値に近いようですが、
  が、
 逓減率以上に違和感無く美しいプロポーションに見えます、
「違和感無く」?  実はよく観ると高欄を二層目にしか設けておらず、
三〜五層目に高欄が無いので逓減率以上に軽快さが有る!
是も類例を確認しておらず、
(前山寺三重塔,室町末期は、〈建かけの塔〉?と伝わるので除外
http://museum.umic.jp/map/document/dot3.html
此れは、本当に頭が下がる前衛的とも言えるやり方だと切に痛感致します!
高欄を設けないなど「手抜き?」「建てかけ?」と言われても良いような
物で、今自分が出来るかと言うと…   、、 、!、    …
凄い!   スゲェーぜ棟梁! アンタは偉い! 素晴らしい!
貴方のチャレンジに心から敬服致します!
おそらく、批判を恐れずやり切った棟梁番長だったと推測いたします。
尊敬しか有りません!
今迄三.五重塔通例の当然のセットとして、「取り敢えずビール」なんかより 
遥かに当たり前で有る『高欄』を、設けない!   
 「でぇ  どうなんねん?」
「 違和感無く美しいプロポーションに見えます 」!
 エクセレント!
逓減率以上にスッキリとした、
  も   、  なんとも言えん よろしおすぇ〜っ!
「 違和感無く美しいプロポーションに見えます 」 (クドい?)
フェノロサさんが、薬師寺三重塔を「凍れる音楽」と言われたそうですが
僕は、瑠璃光寺五重塔は、美しさだけでは無い「凍れる前衛」とのたまいましょう!
(正直、フェノロサさんと天心さんは役得野郎 チッ! のやっかみ感が
否めません!)
取り敢えず   エエで!
でも多分…  分からんけど?  …
「やっぱ出来上がりヤバかったら後から高欄作ったらエエねん…」
と言う計算も有ったような気もする…(笑)


まだある…  


柱間装置ですけど五重塔であれば側柱が一面に四本建ってます、
(柱間装置=柱間に設置されているモノ。壁/扉/窓等)
三間有ると言う事ですが、真ん中は開口扉が設けられています。
そして両脇の柱間装置は、たいがい連子窓が腰長押等の上に設けら
れています。(図,い)
 さてココからですが、問題はその下の地覆(切目長押)
〜 腰長押迄の納め方なのですが、瑠璃光寺五重塔では唐戸面の額の
様な物が廻されています、(図い、の赤枠)
「なんでこんな物を付けたのでしょうか?」
構造材では有りません、では装飾材?

 取り敢えずですが「日本の塔」渡辺義雄写真集(毎日新聞社)の
物、飛鳥〜昭和迄の塔を調べました。(さっきと一緒で118棟)
地味なポイントの探索です(笑)
改めて、
『地長押〜腰長押迄の空間【6,枠(唐戸面)】の部分の納め方』
(図い、の赤枠)
* 漆喰壁タイプ
* 柱間真ん中に束タイプ
* 枠、枠内装飾(彫り物)タイプ
* 格狭間タイプ
等でした、しかし1442年以前の物に限ると漆喰壁/ 柱間真ん中に束タイプ
しか有りません、更に1442年以前の仏堂から神社建築にも手を伸ばし
「日本建築史図録」天沼俊一著(星野書店)s'10〜
[飛鳥/奈良/平安/]、[鎌倉上][鎌倉下][室町]を手掛かりに
柱間装置の 「地長押〜腰長押」迄の納まりを調べてみました。
他に、「日本建築細部変遷小図録」天沼俊一著(星野書店)s'14
「日本建築史基礎資料集成」四 仏堂Ⅰ、五 仏堂Ⅱ、十一 塔婆Ⅰ、
十二 塔婆 Ⅱ、愛著近藤 豊様の「日本建築細部意匠」等を確認として
探してみました、(探すだけで4日…)
矢張り結果は同じでした。

先ず白壁タイプですが、世界最古の木造建築「法隆寺金堂」は  
https://youtu.be/-QrOOmK9g_s
全面白壁タイプで、五重塔は側柱(裳階柱では無い)に脇柱間装置に
透かし連子窓を設けその下に丈の低い長押を通し(現在の長押と比べると
構造的に考えても特別薄い!)その下に白壁その下に地覆貫を通す。
先ずは、最古の例として上げる。
以後白壁タイプは連綿と受け継がれていく。
しかし、同西院伽藍回廊に類例のない二つ束タイプが有る、
修理報告書を見たわけでは無いのでオリジナルかは知らないが
此れは柱間間が長いので構造材として入れた可能性が有る、
真壁の中に構造材を入れて持たす事は可能だが、目的としては装飾
と見るより構造材と見る方が自然と感じる。
「白壁」で特筆しておきたいが、柱間装置として全面白壁と言う物が有る。

(お城は少し新しいので今回は論題内容から古〜いモノを上げます)
 柱間で柱の上部の長押/頭貫〜下地覆長押/地覆貫迄の事です。
法隆寺金堂は然りだが 、裳階付という事で今回は論題として外します)
一番面積のデッカイ物で古〜い遺構で紹介しますと
法隆寺大講堂(990年)が有ります、
http://www.horyuji.asia/entry18.html
大変貴重な復元模型集
http://www.age.ai/~craftman/maboroshi.html
面積は巾9.26尺 × 丈14.75尺(2810×4470㍉)
約12.56㎡(図面から勝手に測ったので、[約]と考えて下さい!)
だいたいタタミ7.5畳位の広さ…      デカイ!
住めますね! ? (笑)
厚みが? 平面図ではどの線が壁の厚みか?何か?判別し難く合って
いれば約6寸(約180㍉)、斗供の壁は四寸(約120㍉)なので約6寸の
ような気がします。
合っていれば住宅とはちょっと違う厚みですね(笑)
 もう少し現実味の有る物で「法隆寺食堂」が有ります、
写真〜 
法隆寺食堂で分かり易いのが有りました
https://youtu.be/MbP1hFe-Y5Q
此れは、超〜古建築で奈良時代
この辺りは、この世に存在するだけで凄いですよね!
これがまた古い形式で、分かり易く言うと
ガンダムで言う所の旧ザク! ?     (失敗?例…)
よくこんなので千年以上持ちこたえたものだと関心します。
因みに背面の壁面積は、約巾8.5尺×9尺(2570×2720㍉)
約6.99㎡(今度はネットに出てた図面からなのできびしい精度なので、※約!)
だいたいタタミ4.22畳位の広さ。(厚み不明)

それにしても古い「壁」ばっかり例に出しましたが、其の心は…
「メンテナンスをすれば千年以上持ちこたえた!」と言う証拠の品です!!!!!
「メンテナンスをすれば千年以上持ちこたえた!」と言う証拠の品です!!!!!
「メンテナンスをすれば千年以上持ちこたえた!」と言う証拠の品です!!!!!
「メンテナンスをすれば千年以上持ちこたえた!」と言う証拠の品です!!!!!
「メンテナンスをすれば千年以上持ちこたえた!」と言う証拠の品です!!!!!

確かについ最近までは(?) いやっ… つい最近でも(戦前)でも
シッカリと持っている(笑)
其れは、法隆寺法隆寺大工が適切なメンテナンスをしたからなのは
言うまでも有りませんが。
 それにしても残ってる。 (笑) 
日本文化の形の一つ何でしょう!
えらく大事に使う民族ですね! 大好きです!!!  ニコッ

 話は逸れますが数年前法隆寺の仏像が盗まれたニュースが有りました
仏は文化財では無いモノでしたが、確か?鎌倉時代の建物の連子窓を
鋸で切って盗んだと記憶しています、
何百年?守ってきても壊したりするのって簡単ですね。
そう言えば、某NHKが大晦日の「行く年来る年」だったと思いますが
東大寺鐘楼(バリバリの国宝、カッコええ!)にスタッフが釘を打った事件が
有りましたが、   日本人の何かが途切れてしまったのかなぁ〜
と、 憤りを感じた記憶も蘇りました…     
               本当に悲しい…
                         寂しい…

さて、相当話は逸れましたが何でしたっけ?    …
あっ、
 「面積の大きい白壁が千年以上持ちこたえた」と言う事実が有る!

 

序にまた思い出しましたけど…
 ついこないだ知り合いの瓦屋さんと喋っていた中の会話ですが、
当時その方は学生で唐招提寺の修理に立ち合う事が出来、少し手伝って居られたようで
瓦をクリーニングした事が有るとの事、 その話が面白い!
「瓦の土をタワシで擦ってたんやけど全然落ちひんし、金タワシで
擦ったんやけどそれでも簡単に落ちよらへんかった。 笑 」 笑!
瓦の裏に当代の瓦制作工程での布目が付きます(荒い麻布の痕)、
そこにこびり付いてなかなか取れやがら無い! 更にそれ以上に
土の癖が凄い!(笑)
「カピカピであんなん雨に当たっても崩れへんで!」
そう、 昔の土は違うのです。            ?
土は昔も今も同じでただの、鉱物です(笑)   ?
でも違います!             ?       何が?
 法隆寺大工の心の師匠西岡様が言っておられました、
「堂、塔を作る時、木材調達は当たり前やけど、先に土を作らねばアカン」
(言葉は間違っているか分かりませんが、言葉の内容は合っていると思います…)
この「土」は、土壁等の土の事です。
ご存知の方もおられるでしょうが、やたらめったら「臭いっ!」
此れは、土を集めそこにスサ(藁等詳しくは知らん…笑)を混ぜ込んで
腐らせ、またスサを混ぜ込んで腐らせ、風下の薫風は超大変!という
工程を繰り返し土を作ります。  超臭い!(西本願寺の修理の時も臭かった)
その工程を経る事により粘りの有る屈強な土が出来るようです。
此れがどうも昔の土らしいです。
そんな土を使った建築は、強そう♡(実際強い!)
 建築基準法で古建築が千年以上持ちこたえている事実を黙殺し続けて
木造建築の更なる可能性を(日本文化の更なる可能性を!)偉い方が
阻止し続けていますが、日本人のアイデンティティーである、木の文化の
否定を止めてもらいたい!
(そう言えば新オリンピック競技場はたしか105×30㍉の色々な産地の
杉材を主にして作る計画で進んでるようだったと思う)
目下、千年を超える耐久力を持つ先輩に敬意を払い更なる研究を加速
して頂きたい!
地球の2割の天災が起こる、地球でも稀な崖っぷち(太平洋プレートに
押されたシワ 笑)で、気候もナイル川エジプト文明)とは真逆な風土
気候を持つ四季の有る変化に富み、多様性を迫られる小さな小さな小島。
此処で住み付いた動物のアイデンティティーを取り戻したい!
それしかこの地で生きる術が無いと信じています、
グローバル化の否定では無いです!
神道」な国なのに仏教を取り入れ瞬きする様な時間で「神仏習合
というカタチに日本文化として根付かせ、世界的に不思議な宗教感、
文化を持つ(笑)日本国(笑)(笑)(笑)
柔軟性が無いと生きて行けない小島、日本! nippon!
客観的に?「平等院鳳凰堂」や「刺し身」を創った文化に敬意と尊敬を
払う僕は日本ファンです!♪ 笑      (又逸れた…)

支離滅裂では有りますが(ゴメンナサイ)
取り敢えず白壁如きですが、'適切な土'で作り適切な壁の内部構造を
もって作った壁等は大変強靭な耐久力を持つ事を認知して頂きたい。

(本題に戻る)
こう考えると、問題の柱間装置部分には例外等(スパンが長い)を除き
束は必要無く装飾の一部と考えられる。
ましてや瑠璃光寺五重塔の枠など装飾以外の何者でもない、
そして前例も無い、6,枠(唐戸面)は、装飾である!
この事を確認してもらい次に続く。

 

 

さて、『凍れる前衛』構造編
   何でしょうか?
其れは、隅の大斗が斗繰りの無いただの「四角い木」それと、
一〜三層「隅肘木と斗供」四〜五層 「隅肘木と斗供二段分」
が一木で造り出している!  ※図,3
瑠璃光寺〜図,3と図,4 金剛寺〜図,1)

f:id:shitekig:20161114222341j:plain

(何とか理解出来る?程度の稚拙な図でスンマセン)

 


先ず、
日本の建築は大陸とは違い、学校でも習った「温暖湿潤気候」なので
雨が多いから軒が深い!(そう言えば「蔵」の軒は短いですね、
理由は知らんのですが、火災焼け落ち崩壊等対策?誰か知ってる人
教えて下さい、宜しくお願い致します。)
軒が深いイコール重たい軒を支えるのがしんどい…
オマケに角っこは折り矩二辺の荷重が 『集中!』= 最悪!
特に一層目大斗下の台輪に100%「めり込む」当然大斗も「めり込む」
恐らく微妙に隅っこの寸法狂ってくると思います。
そこで登場! ただの斗繰りの無い四角い木 (笑)
いや! 笑ってはイケない!!!

 斗供 = 深い軒をせり出す装置 = 軒の「持ち送り装置」
(持ち送り=せり出し補助部材 例〜持ち送りイメージ図,5)
斗供は良く出来た軒を迫り出す為の装置では有りますが、如何せん
何処まで行っても小さな部材の集合体で(この小さな部材の集合体
のお陰で『柳に雪折れ無し』を担えている大切な役割が有るようですが!)
物理的強度として背の低い部材の集合体より丈の有る一木部材の強度
の方が勝ります。
そこで井ノ兵衛棟梁は(勝手な名前を付けております)
隅っこだけでも一木にしてやれ! と、
この、隅の肘木と斗を一体にした部材を入れた! ような気がする、
絶対。      …
コレについては輪郭のみで、斗の形の再現には至っていませんが
材料の都合でお迷いに成った?とは思うが…
潔く其れはソレとして、面白くカッコよく思えてくる♡
(肘木と斗の一木造り出し例→金剛寺多宝塔上層隅行斗供、壁内部から
隅の鬼斗迄、平安末期とも言われるが桃山時代の大改修が有り部材時期
は不明、個人的には鬼斗の繰り方と隅底部の残し方から桃山期と思う 図1)
 コレも想像ですけど、良く出来た「斗供」と言う構造と意匠を兼ね
備えた軒を支える持ち送り機能だが(構造即意匠) 、住宅と違う
社寺建築等の荘厳機能を兼ね備えた比較的大型建築の深い軒に、
前兵衛棟梁は(勝手な名前を付けております…)
大きな荷重負担となる「軒」に限界を感じていたと考えます、
しかし意匠上の「美しい軒は堅持したい」この思いから構造面の
進化を迫られた結果、前兵衞棟梁が導き出した答えの様に思いを
馳せました。
未来永劫、この美しい姿を留めるように、なされた伝統から革新への
答えで、 イノベーションだと感じます!
使い捨てでは無く息の長い創造物なので、
「一時の美しさより長期に渡る美しさを」とのメッセージとも受け
取れます。
古建築?当時は新築、マニアで無い限り其処までマジマジと重箱の
隅をほじくる様には観ない、大方の九割以上の人は全体を見て良し
とする。
その事を良く理解し男気も感じられる。
さて…
 「自分ならコレを出来るか?」
普通なら「手抜き普請」なり「見た目が悪い」と施主様やお店の方に
言われる事をちゅうちょして…
  何処迄自分は出来るのだろう?    分からない。
ただ彼はやり切った。
                 よっ!  男前っ!
               (この頃、女性の棟梁は考え難いと思います)

 

 まだ有るんです、  スミマセン…
塔の一層目内部空間ですが、(図あ)

ごっつええ写真発見!

http://www.yamaguchi-walker.jp/naijin.html

四天柱が有り後方に壁(来迎壁)が有り仏を安置する所迄は普通ですが、
須弥壇の平面形状が、四天柱を含み円形の須弥壇となっています。
 当代に於いての「塔」は、初期の仏舎利を納める建築、厨子
と言う物では無く、仏を安置してお寺のシンボル的な性格を帯びた
モノに成っています。
しかし「塔」(三.五重塔.多宝塔等)は、元々「仏舎利」を納める物で
スツーパ(釈迦の墓)が起源です。
(スツーパ=http://kskek.sakura.ne.jp/ind4.html
此れは、舎利が有り、その上に伏鉢状の土盛りが有り、その上に高貴
な方を象徴する傘をあしらった物で平面は円形で、一応正面は有りますが
基本的に正面はあまり無いモノに成ります。
故に初期の塔(現存最古、法隆寺五重塔)をクローズアップすると
内外部に正面を意識した所が無く(多分無い…)平面が方形ながら
円形の性格を強く持っています。
興福寺円塔等は、八角ながら「円塔」と呼ばれており、どんな塔も
「円」を表している所から始まっています。
 本塔の須弥壇の平面が円形なのはこの事からの踏襲と考えるのが
自然だと考えます。
 更には芯柱(塔の中心に有るゴッツい棒)初層内を貫通しています!
此れは、五重塔の内部の四天柱の真ん中に柱が有ると言う事で仏を
安置するには「邪魔」! (笑)
しかし初期の塔は同じく貫いており更には掘っ立て柱(地中に埋める)
で、鎌倉期に一層天井上に寸止め、中吊り状態(たしか海住山寺五重塔から?)

 

 〜 オマケの塔豆知識 ♪ 〜
芯柱は、屋根五〜四層辺りで建物と接しているだけで中吊りが基本、
九輪(相輪)を支えている事と、建物への「重し」や耐震装置…

http://xn----107a39dd7nq6e48ksicsok45e.jinja-tera-gosyuin-meguri.com

東照宮の心柱紹介ページ


また、中吊りでないと塔の高さが新築時より確実に低くなるので
(木の痩せ等)必要な処置の様で、
 京都の東寺五重塔の内部拝観の時にでも確認して貰えれば判るが
須弥壇内部が少し見えるようにしてくれてる、(と思う)
この塔も同じく初層貫通型だが、初層内部は極彩色に彩られ、
芯柱にも極彩色が施されている、当然須弥壇の天場から上に極彩色
を施すが、何故か須弥壇の内部を観ると天場の下迄極彩色が侵入
している(寸法忘れた…)、此れは理解し易い例でその「ズレ」の
寸法だけ建物が低くなったと言う証拠を示してくれている、
もし中吊り構造に成っておらず地面に接している構造だと、その結果
何が起こるかと言うと、芯柱の長さは変わらず建物は低くなり何れ
双方が遊離して、大概相輪最下の露盤下辺りに隙間が出来て雨漏り
が生じる。    
其れと日本人にとって「柱」は御神体、又は神様の依り代等構造材を
超えた存在としての意識が強く、「柱」は、神を数える数助詞で
この考え方は日本にしか無い。
                    おわり

 

何方にせよ初層貫通型で須弥壇貫通は、当代に於いて初層内部の
使い勝手が宜しく無い(当代に於いて)。
だから時代が下れば初層貫通型は珍しい、この事に於いても初期に
於ける「塔」の考え方の踏襲かもしれない?
 今の様に研究があまりなされていない時代に、
当代に於いてこの様な考えが残っていた?のか知り得ませんが、
矢張り須弥壇では類例を見ない物なのでこの事も特筆しなければ
ならない意匠だと思います。

こんな妄想ばっかりやってたら、いつか修理報告書を読まなきゃいけませんね♡
「読みたいわぁー  誰か貸してぇ〜!」
(図書館行くのって邪魔くさいですね、オタクで引き篭もりで僻地?
に居を構えておりますので)         譲って!


おさらいとして【瑠璃光寺五重塔私的備忘録】
 『和様が基調』
*各層目立った装飾は無い
*隅木鼻先雨蓋有り(木口面、外転び強い)雨蓋の付け根の納まりが
 意味不明?
*一〜三層隅行斗供の二段目肘木と斗が一木造り出し、
 四.五層隅行大斗肘木〜二段目斗迄が一木造り出しで切り面を施す

*桁と実肘木も一木造り出し(写真19)
*二層〜斗の建物内部が斗繰り無し
*一層 〜 柱間装置部分(切目長押〜腰長押)の枠(唐戸面)
    一層のみ連子窓で他層は白地板?
     礎石下亀腹は、当代にしては緩やか
*二層 〜 高欄/唐様擬宝珠/菱形彫刻(連子窓部)
*三層 〜 藁座(軸廻し装飾)有り、この層のみ飛長押無し
* 三〜五層は、高欄無し!
* 一〜二層のみ弊軸を設ける
* 軒反り、一〜三層は長刀反りで四〜五層は真反り
*上層に行くに従い軸部丈が低くなる所を、五層軸部の丈が四層より
高くなっている
*壁付きの大斗と斗が壁内(一層を除く?建物内部だけ)に於いて
斗繰りが無い
(最古の物を知らないが、古い塔に顕著で視角に入らない建物内部
にも外部から見える様に斗繰りを施す、荷重分散の観点から観て
建物内部の斗繰りを行わないのは構造的に発達した構造と言える。
この形状は一概に時代による所でも無いが様々な納め方が有り
時代が下る程本塔のタイプとなる傾向が有る! 塔の内部構造は
時代を経ると共にすご〜く変化、進化している!!)
*鬼斗は古式を表す繰り方
*内部須弥壇円形(来迎壁有り=後補?、高欄無し)
*初重(一層)芯柱有り(須弥壇中央貫通)

他の意匠は多分共通。
 殆どの五重塔の意匠は柱間が狭く成って行くだけで細部意匠等は
共通する事が多い。
そしてこの様な変化の有る意匠の組み合わせは、デザイナー(棟梁)
の意図と考える事が自然に感じる。

〈まとめ〉
 スッキリとした和様を基調に、スラリとしたプロポーション
第一印象で直ぐに心を奪われる「素敵な塔」と言う印象でした。
細部をジックリ観察復習してみると、僕に驚きをもって再び迎え入
れてくれました。
 上層に高欄が無い事、 特徴として装飾をピラミッド型?に下層へ
施し、更に軒反り等にも前述の結果、逓減率以上に上層の視覚的な
軽さとスマート感を獲得していると感じる。
此等の事は最も特筆すべき点として確認したい。
 最初は批判的な意見も書いていたのですが、 結局しらべれば調べ
る程、安直に批判していた事が判り、ひとりで「なるほど!」
瑠璃光寺五重塔と帰宅後も過ごす事が出来て大変幸せでした♡
お陰でベタ褒めな内容になってしまいました。(笑)

前兵衞棟梁は、当時御幾つであったのでしょうか?
他に作品は残っているのでしょうか?
勝手な妄想ですが、これ程迄に前例の無い自分の意図を盛り込める
人物?人格を持っておられる方なので、おそらく高名?有名?な方
だったと想像します、   僕はそう感じました。
少し小耳に挟んだのですが、もしかしたら京都からの大工様?と言う
事をお聞きしました。
修理報告書、誰か譲ってちょーだい! 気長にお待ちしております!!

 どうでしょう?  皆様はどの様にお感じになるのでしょうか?
手持ちの資料の限界を感じながら進めてきた感想ですが、
僕は個人的に現代アートまでとは行きませんが、 当代日本の五重塔建築
に於いて、前衛アーチストと捉えてみたく感じた美しい「五重塔
だと一票を投じます。

 

 

 

 

                        植生

 

 

 

 

オマケ

日本の塔を観るのに便利!

日本の塔-目次

 

 

 

 

 


長過ぎて多分校正がしっかり出来ておらズ、略図も適当〜ですが

記事内容の間違いに気づ付いた人は必ずコメント欄にお知らせ下さい!!!

ヨロシコ!♡

 

今回はここ迄…
まだ調べたい事が有るのですが矢張り本塔の修理報告書が手元に無い
のでなんとも言えないのが大変悔やまれます、 欲しい!
其れと作文を理解し易くする為の写真をもっと沢山列べたかったのですが
著作権等が気になり思う様に表現出来ませんでした。
引き篭もりの行動力の無さも手伝い力不足が否めません、不完全燃焼
と言うべきですが、仕事(生活)が優先の為、夜のお遊びもしばらく
は休まないとマズイ状況で、家族との時間も少し削らなくてはならない
状況です。

 実は、ここまで根気よく読んで頂いた方に申しますと、
現在、「鉋」をやっていますがお察しの通り なんも「鉋」の事を
分かっていません! (笑)
本業のお勉強はまた個人的に何れ詳しく書くつもりですが、
僕の本文は、寺院に関する「宮殿/須弥壇/荘厳具」等のお勉強が
メインとなります。
鉋のお勉強などやってる暇は無いんですけど、職人業もやっているので
避けては通れない事なので嗜みとしてやっています。
残りの課題は、仕事用の「鉋刃」と「鉋台」が手に入れば嬉しいのですけど
道半ばといった具合です。
でも、久し振りに古建築等のお勉強をしたような気に成りました、
古建築シリーズは、このブログではあまり書く事は無いですが、
読んで欲しいと言う内容も有りますが、 「私的備忘録!」
として書いていますので、どうでも良い内容も多々御座います、

それと…

相変わらず、「鉋」民俗学アンケートを採るには寂しい閲覧数になります
鉋や刃物を使う方への閲覧数を伸ばさなければデータとして貧弱な
物に成ります、お陰様でフェイスブック効果は有ったようなので
更なるフェイスブック等のコメント付きシェアーなり、何か? 
の閲覧拡大方法で御協力宜しくお願い致します!

 

また、備忘録的な所が大きい為脱線しまくっていますが、場末の
職人の書くブログですのでご容赦願いたい、
最後まで根気良く読んで頂いた方へひつこいですが

 

     誠にありがとうございました!

 

 

 

 

追記


なんか久しぶりにこのページ見たんやけど、  ん 〜 …

軒反りの下りやけど、どうも腑に落ちひん、
「4~5層は、真反り〜」 ?
逓減率が有るので、軒の幅が狭く成れば自然とそのようになるのか?
          ⇓
〈上層は、下層の軒幅が狭くなった距離だけ軒ライン中央の軒ラインがマイナスされている?
然るに軒反りはそのままで、中央ライン長さがマイナスされている〉

ただそれだけ、  ただそれだけなのか…
図面で確認するとその通りだった…

でも5層の反りだけはやっぱり強い目の軒反りである事に間違いは無い。

其れにしても、後から読むとテンション上がり過ぎて我ながらに 気色悪い…
更に、今の文章と比べると厚ぼったい?   まぁ エエかぁ
 

 

 

 

『削ろう会』鉋好きの皆様宜しくお願い致します。

 

 僕は、「宮殿帥」と言う寺院荘厳の素地を家業とする者です。


仕事と言うホビーをチビチビ楽しみ、引き篭もりのオタクで御座い
ます。
削ろう会誌では名前を出しておりますが… 基本的に外界との接触
を邪魔くさがる傾向が有る、ただのオタクでブログては一応名前を
伏せております。
期間限定で現状の私的な結果報告と情報収集等の目的ですが、
短い間で御座いますので、しばしお付き合いして頂ければ幸いです。

「鉋のお勉強を五年程やっておりますが〜」と言うのはウソで、
「程」と言う所がミソで、鉋ホビーとは別のホビーに約一年程明け
暮れており完全なブランクが御座います。

何故一旦辞めてしまったかと申しますと、当初の動機の目的を達し
てしまい、「果てた」と言う理由と、別の禁断のホビーが確実に押
し寄せて来た事が理由で、上手くフェードイン.フェードアウトして
しまいました。
しかし、ご存知の通り鉋の世界は、課題がてんこ盛りで、全てやる
気持ちは毛頭無いのですが、少しやり残した事がありモヤモヤ感が
御座いました、其れは工房の良い位置に金属顕微鏡が仕舞う事無く
埃を被り静かに鎮座しておった事でモヤモヤ感を知ることが出来ました。

 携帯電話機を所有しない程人付き合いが嫌いな小生ですので、
鉋友達は、皆さんのとは違いほぼ居ないのですがごく数人の友人が
出来ました。
そのウチの一人(目次○○)が2月?に講演で近所に来たのが運の尽き、
久し振りに逢ったお陰でカムバック…

    縁だったのでしょう。

ただ今回目次氏には、情報収集に多大な貢献をして頂いき感謝して
おります、有難う御座いました。

 そんな久しぶりの友人との楽しい再会も過ぎ、しばらくすると新
たな刺客から…

 〈削ろう会会報誌No79 〜ボツ原稿最初の下り〜〉

 引き篭もりの小生に一月半前に友人から電話が掛
かって参りました。
「削ろう会が有るのでご検討を」との事。
「腹の中で、それは無いなっ…」 答えが明確に出つ
ついつも親切にしていただいてるのでその場を濁し
電話を切った…
        

石社様へ
この場をお借りして、何から何までお世話になり有難う御座いました。


 実は、本当のこと言うと、何故行く気になったかと申し上げますと、
僕なりに「薄削り」と言う物に気が付けば自分的には初めて、まと
もに挑戦出来る環境が整っていたからに他なりません。
どう言う事かと申し上げますと、
 僕は、薄削りが好きではありませでした。
何故かと言うと、「鉋」一年生の頃は、よく摩耗の様子を観察して
いました、
今回の削ろう会会報誌での僕の〈研ぎ〜削り後〉の写真をご覧にな
って同じ様な事を感じられた方は多くいらっしゃったと想像します。

「研ぎなんで花火みたいに一瞬で消滅するやんけっ!
仕事でサボる為に勉強してるオレには関係あらへんわっ!!」

と言う想いに駆られたわけです、
僕の薄削りへの印象は「鉋」一年生の頃、この様に決定付けられま
した。
  コレは僕にとって以後、一種の「トラウマ」となりました。

ただ… 鉋の使い手にとって良好切削が第一の目的です!
(コレクションとかもあリますが… )
その良好切削のカギは言わずと知れた

 穴掘り3年
      鋸5年
         墨付け8年
              研ぎ一生  …

そう…  「研ぎ」 。

 「研ぎ」は、一生掛かっても無理と言う事をなのか?
もしくは、臨終間際の床で「 …   …       … 、 、 た…   あっ

  と 、 とぎぃ、
  と 、   とっ  研ぎ 、  か ん    しぇ〜    …  。 ーーーーーーーーー 」  永眠。
死ぬ前に完成?  
 含蓄のある御標語ですが何方にせよ研ぎとは、手が届くか届かない… 
奥ゆかしく「萌」最終奥義の様相ですね。

萌な感覚は素敵ですが、僕には実務上そんなん絶対イヤです!

この手に入れ難い「鉋研ぎ萌」のお陰で、人間社会の通例に従い
物理現象でありながら都市伝説の巣窟な様相と感じます。
本当の情報も有ると感じますが、情報が多過ぎて本当の事が見えて
来ません…
その中、「研ぎ」「鉋台」に於いて其れなりの答えを出した直後の
石社さんからのお電話でした、そして今回の初参加!
のびシロかまだまだ有る事を確認し、めまぐるしく楽しい時間が過ぎました。

しかしながら改めて、やればやる程迷宮入りする事が有り、
「要因(Factor)」が多いのは事実です。

しかし此れは、 物理です!

必ず出口は有ると信じています、
早く誰かが科学で解き明かしてくれて、座学のみでもそこそこ出来
る様になれるそんな教科書を世に出して頂ければ有り難いのですが、

 

10刷記念〈改訂版〉!
『一週間で匠の技! テキスト「研ぎ一生」(税込み¥1300)』
  お求めはお近くの有名書店、コンビニエンスストア、スーパーなどで ♪

 

  … 現状、まだ見ぬ書籍なので「要因」を一つ一つ解き明かして
行き、スーパーで購入出来る状態になる事が待ち望まれる。

コレについて僕は正直、「少しでもお役に立てば!」とかは考えて
おらズ、残念ながら自分の事しか考えていません。

 

 【私的指針】
「とっとと、仕事に於いて楽に、速く、サボっている様に、
これ以上の無い美しい仕上がりを!」

                 これが本分であり本心です。

 

そして今回、私なりのお勉強を文章にする事により確認はもちろん
の事、新たな気付き、それに発表する事により、ご指摘を賜れば私
信の間違いの発見も繋がりオタクよりもっとスピーディーな解決に
向うのではないか?と言う思惑が潜んでおります。

 しかしながら削ろう会会報誌は、僕にとって大層な発表の場で、
微力ながら誠心誠意皆様のお役に立ちそうな情報を掲載しなければ
いけないと言う思いが大変強いです、この事が削ろう会会報誌に於
いては最優先事項と考えております。
ブログのようなお気軽な心持ちでは望んでおりませんので批判、
お叱りの声もあろうかとは思いますが、まだまだの小生で稚拙で
御座いますのでご容赦願いつつ、暫しお付き合いの程御賜りたく
宜しくお願い致します。

ブログでは会報誌本文に対して言い忘れた事などを補足して、
不明な点等を"僅か" ながらお答え出来ればと考えておりますが…    
基本的に「鉋」を中心としたタイトル通りの「私的鉋備忘録」と

言う事ですが、頑張り過ぎてしまうのでブログでは楽に振る舞える

為、恐縮ですが私的な木工に関しての事も書くと思いますのでそんな

モノは適当にスルーして下さい、宜しくお願い致します。

 尚、『私的鉋備忘録』でのコメントは、
[お褒めの言葉、悪口]等は、前に進みませんので受け付けません、
有意義な[質問 批判]は、大変有難く思う次第で有ります。
 そしてコメント欄は、承認制で公開される事は有りません、
しかしながら管理上必ずペンネームを書いて下さい!
そのペンネームにて建設的なコメントを公開する事が有るかもしれ
ない事をご了承下さい。

ただ、有意義で御有り難いコメントでも全て対応出来ないと
思います!
この事は大変申し訳ないのですが、基本的に広く交流を持つ事が
大嫌いで、勝手ながら自分の本文を遂行する時間が大切という意味
なのですが、暫くの間は有難く全て読まして頂きます。
それに対して必ず「癖」として考えてさせていただくのは間違い有
りません!
ただ、ただ… 対応出来ずそのままフェイドアウト
してしまう事があるやもしれませんので此れだけは、
御理解宜しくお願い致します。


 短い間ですが、記事更新を致しますので 「私的鉋備忘録」 の
お見知り置きを宜しくお願い賜りたく思う所存で御座います。

 

                      敬具

 

※※告知※※       31'4/30追記
 
他の場所に移動しました!
刃物や道具、モノ作りについて気になる方は、以下のページの
#平成生まれ
を経由してお越し下さい。
興味が半減するワードですが、活動内容とは無関係です(笑)

 

shitekiongaku.hatenadiary.jp